連載・全5回
パーキンソン病を知る
第1回 手のふるえや体の動きにくさ。 パーキンソン病は、どう診断するのですか?
手がふるえる。動きがゆっくりになった。体がこわばる。そんな変化に気づいたとき、「年齢のせいかな」「もしかしてパーキンソン病?」と気になる方は少なくありません。
パーキンソン病の診断では、医師が診察で症状の出方を確かめながら、似た症状を起こすほかの病気と見分けていきます。そのとき手がかりになるのは、検査結果だけではありません。
毎日の暮らしで何に困っているか。それ自体が、医師にとって大事な情報になります。
どんな動きの変化があるのか
代表的な症状は三つあります。静止時振戦、動作緩慢、筋強剛です。
静止時振戦とは、じっとしているときに出るふるえのこと。手を使うとふるえが目立たなくなるけれど、じっとしていると、ふるえに気づく。
とはいえ、ふるえの出方は人によってさまざまです。この特徴があるかどうかだけで、ご自身で判断することはできません。
動作緩慢は動きがゆっくりになること、筋強剛は筋肉がこわばって硬くなることをいいます。
小声、表情の変化、ボタンを留めにくくなることもあります。また、病気の経過によっては、体のバランスがとりにくくなることがあったりもします。
症状の左右差や、始まり方も手がかりに
症状が体の片側から目立ってきたり、いつの間にか始まってゆっくり進んだりすることもあります。「右手のほうが先だった」「気づけば身支度に時間がかかるようになっていた」。そんな小さな気づきも、診察でぜひ伝えてください。
似た症状を起こす病気を見分ける
パーキンソン病と似た症状をまとめて「パーキンソン症候群」と呼びます。その背景には、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症のほか、正常圧水頭症や多発性脳梗塞、薬の影響によるものなどがあります。
病名の一覧を見て自分に当てはめるより、「似た症状でも、原因はひとつではない」と知っておくことのほうが大切です。
MRIや特殊な画像検査は何を見るのか
MRIは、似た症状を起こすほかの病気がないかを確かめるのに役立つ検査です。ただし、MRIで目立った異常が見つからなかったからといって、病気がないということにはなりません。
このほか、脳のドパミン神経の状態を調べる画像検査や、MIBG心筋シンチグラフィーという検査もあります。
MIBG心筋シンチグラフィーは、心臓の交感神経の状態を調べて、診断の助けにする検査です。
どの検査も、結果だけで診断が決まるわけではありません。症状や診察での所見とあわせて、医師が判断します。
診察で聞いてみたいこと
「この検査で何がわかるのですか」「結果は私の症状とどう関係していますか」。気になることは、遠慮せず主治医に聞いてみてください。
いつから、体のどちら側に、どんな場面で変化があるのかをメモしておくと、話がぐっと伝わりやすくなります。